「基礎ができてる」ってどういう状態?

 

んにちは。

M spaceです!

 

(基礎大事、大事ってみんな言うけど…)

(結局、基礎ができてるって、どういう状態なの…)

 

(私、毎日基礎練はしてるど、これってできてるのかな…)

(〇〇先輩は誰から見ても上手だから、

先輩が基礎できてるってのはわかるんだけど…)

 

 

こんな気持ちになったことは

ありませんか?

 

大学オケに入ってしばらくするまで、

私はこんなふうに、

毎日毎日、不安でした。

(毎日、練習しているにもかかわらず!)

 

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今回は、楽器練習において

「基礎ができている」とは

結局のところ、どういう状態を指すのかを

お伝えしていきたいと思います。

 

 

このことを分かっていないと、

ある曲をどんなにたくさん練習したとしても

その曲で学んだテクニックは、

その曲の中だけでしか活かせません。

 

逆にこのことを理解していれば、

一度学んだテクニックは、

あなたの演奏にとって確かな土台となり、

次の曲に取り組むときも、あなたの助けになります!

 

なぜ、「基礎ができている」状態を

正しく知る必要があるのか?

 

 「え?基礎練のメニューを一通りこなせていたら、

基礎ができてるってことなんじゃないの??」

 

いいえ、

実は違うのです。

 

本当は、

 

「基礎ができている」状態

=自分で自分の身体の使い方を心得ている状態

 

ということなのです!

 

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ですから、

今取り組んでいる「基礎練習」は、

あなたが、あなたの身体の使い方を心得るために

あなたの身体を使って取り組む時間、なのです。

 

そのうえで、

奏者としてより良い音色を

合奏で提供するのです。

 

 

例を挙げてみます。

 

私は高校生の時、ドヴォルザークの交響曲第9番の

ティンパニを担当しました。

 

私は、ロールができませんでしたので、

その曲のロールが出てくる所を何度も練習し、

本番では腕をたくさん振って、なんとかロールができました。

ロールが何小節も続くので、腕が痛かったです。

 

その後、大学オケに入り、

次はワーグナーのマイスタージンガーの前奏曲の

ティンパニを担当することになりました。

この曲にも、ロールが出てきます。

 

さて、

どんな展開が待っていたと思いますか?

 

 

 

「ロール、全然できてない」

「けっこうボコボコいっちゃうんだね」

 

と、先輩に言われてしまいました。

それだけではありません。

 

自分でもそう思えるほど、

あれ?全然ロールできない???

という状態だったのです。

 

以前やった、

ドヴォルザークの交響曲第9番と、

これから取り組む、

ワーグナーのマイスタージンガーとの間に、

とても厚い壁を感じたのです…。

 

(おかしいな…)

(ティンパニのロールなら、以前あんなに練習したのに)

(また振り出しに戻った??)

 

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今の私なら、

 

何が起こっていたか分かります。

 

高校生の時の私は、

確かに、ロールの練習をしていました。

 

しかし、

それはあくまで、

ドヴォルザークの交響曲第9番用のロールだけを

練習していたのであって、他のパターンは手つかずでした。

 

ティンパニのロールの基礎そのものについては、

ぜんぜん向き合ってこなかったのです。

 

ロールの基礎ができていないから

だから、別の曲に変わった途端、

またゼロからロールができない状態に陥ったわけです。

 

さあ、

あなたは覚えていますか?

 

基礎ができている

=自分で自分の身体の使い方を心得ている

 

私は、

高校生の時、ロールをしていて腕が痛かった、疲れたのでした。

痛かったけど我慢して、曲を乗り切ったのでした。

 

特に、外傷を負っていたわけではないですから、

これは明らかに不自然な動きをしていたわけですね。

このまま続けていたら、腱鞘炎になっていたかもしれません。

これでは、自分の身体の使い方をわかっていないですね。

 

当時の私は、

ロール=(誰がやっても)腕を速くたくさん振ること

と思っていました。

 

できるだけ速くたくさん腕を振る

それで、必要な小節の間、音が続けばいい。

 

それ以上、

何かを観察したり、考えを及ばせたりすることは

ありませんでした。

 

自分がどうすればロールが成功するか

どうすればロールが失敗するか

どちらもわかっていなかったのです。

 

これでは、

ロールの基礎ができている、

とは言えません。

 

 

では、

どうすればよいか?

 

 

曲から離れ、

まずはロールそのものの練習をすればよいのです。

(たくさんのパターン!)

 

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そして、

良い音色でロールが続くため、

不自然な動きで身体を傷めずにロールを続けるため、

 

自分はどんなふうに身体を使えばよいか、

ひとつひとつ点検していくのです!

 

マレット、

指、

手首、

前腕、

 

肘、

上腕、

肩、

 

軌道、

力加減、

跳ね返り、

 

音色、

バランス、

 

どう聴こえる?

身体はどう感じてる?

 

滑らかでないなら、

自分の身体をどう動かせば、

滑らかに聴こえるのだろうか?

 

 

そうすれば、

ロールをする時に、自分はどのように身体を使えばいいか、

わかってきます。

 

どんな曲に、

どんなタイプのロールが出てきても

 

ロールをするときに

どのように自分の身体を使えばいいか

わかっていれば

 

少しの練習で

すぐに対応できるようになります。

 

あなたのイメージする通りに

身体が動き、

出したい音が出ます。

 

 

そしてそれこそが、

ロールの基礎ができている

という状態なのです。

 

 

 

いかがですか?

 

あなたも今すぐ、

基礎練の取り組み方を見直してみましょう!

 

単にテンポを速くしていったり、

単に音符をこなしたり、

 

それこそ、

単に「1日〇ページ進める」というような

ノルマを達成するために

毎日の基礎練をしていませんか?

 

もしそうなら、

今すぐやめましょう!

 

より良い音色を

合奏で提供できるため、

そのための技術を習得するために練習しているのです。

 

より良い音色に直結しない練習は

意味がありません。

 

 そしてそれは、

あなたが、あなたの身体の使い方を

理解するところから始まります。

 

今取り組んでいる基礎練を、細かく点検して、

基礎ができている=自分で自分の身体の使い方がわかる

状態を着実につくっていき、

 

様々な曲が演奏できるようになり、

指揮者の突然の指摘にも応えられるような奏者を

目指しましょう。

 

 

 

最後まで読んで頂き

ありがとうございました!